首里城の復興に携わり、
伝統を未来へ継承していく人たちを
沖縄伝統茶である
さんぴん花茶は応援しています。
日々のお茶時間を通して
沖縄の文化を紡ぐ想いを紹介します。
民俗学を専門分野とし、沖縄国際大学大学院修士課程終了後、沖縄県教育庁、公文書館職員を経て現職。沖縄の村落風水や工芸品の研究のほか、琉球産の弁柄の調査を進め赤色の再現に尽力。
私は沖縄美ら島財団の研究室に所属して、琉球王国の工芸品や庶民の生活に関わる内容を専門に研究しています。その一つに、琉球王国時代に使われていた塗料の調査研究がありますが、これが平成18年から始まった首里城の塗り直しに役立てられていたんですね。古い文献を探して、塗料の種類、仕入れ先や製造元を探すなどの作業を進めていました。
当初の計画ではかつての首里城の赤色に近づけるために少しずつ塗料を試す予定でしたが、火災が起き、復元のために未解明だった部分の研究も急ピッチで進めることになったんです。その中で、塗料の原料には沖縄の自然由来の成分が使われていたと分かり、その成分の採取から塗料への加工、塗装までを何度も繰り返し、かつての赤を探ったんです。
首里城の赤色は、火災前に見ていた色とは少し違うと研究の中で分かり、関係者で本当に試行錯誤して今回の赤色を生み出したので、公開時の反応が楽しみです。仕事で行き詰まった時は、さんぴん茶を飲む時間には安らぎをもらっています。小さな頃によくお使いで買いに行ったお茶ですし、県民にとっては親しみがあって飲むと安心できるものですよね。
那覇市首里出身。首里城公園の売店販売員として働き始め、その後、解説員に応募し「沖縄の歴史を伝える仕事をしたい」という夢を実現。お客様と首里城の魅力を共有することを心から楽しむ。
首里城で働くことを決めたのは、海外留学をした時に、沖縄の歴史を全然知らないことに気づいたからなんです。自分の生まれ育った場所の歴史をきちんと自分の言葉で伝えられるようになりたいと、解説員を目指しました。3ヶ月の研修では知識の習得とガイドの実地訓練を受けて、いよいよお客様の前に出ることになった時はやはり緊張感がありました。
実は私が解説員になってすぐに首里城火災があったんです。火災前日、最後のお客様をお見送りし、東のアザナから首里城正殿を眺めたのをよく覚えています。まさか翌日にその姿が見られなくなるとは夢にも思わずに。しかもその後はコロナが大流行。しばらく解説員の仕事はできませんでした。だからこそ、今お客様と会えることがとても嬉しいです。
解説員をしていると、沖縄の風習についても質問いただきますが、そこで「小さい頃はおばぁが家でいつも沸かしてくれて一緒に飲んでいましたよ」と実体験を話すととても喜ばれます。自分にとっては当たり前の、何気ない日常が今の仕事に役立てられることはとても嬉しいです。うちなーんちゅだからできる案内を、今後もしていきたいですね。